はじめに
「未経験の業界に転職したいけど、年収が下がるのが不安」——キャリアチェンジを考える多くの方が抱える悩みです。
結論から言えば、未経験転職で年収が一時的に下がるケースは約6割。しかし、業界・職種の選び方と準備次第で、年収を維持したまま転職できるケースも少なくありません。この記事では、厚生労働省や転職市場のデータをもとに、未経験転職の年収相場を徹底解説します。
未経験転職の年収変動データ
未経験転職後の年収変動(全体平均)
年収が下がった人が多い一方で、2年以内に前職の年収を超えた人は約45%というデータもあります。短期的なダウンを受け入れて中長期でアップを狙う戦略が有効です。
年代別|未経験転職の年収相場
| 年代 | 未経験転職の平均年収 | 前職比 | 2年後の回復率 |
|---|---|---|---|
| 20代前半 | 280〜350万円 | ▲10〜30万円 | 約70% |
| 20代後半 | 320〜400万円 | ▲30〜60万円 | 約55% |
| 30代前半 | 350〜430万円 | ▲50〜100万円 | 約40% |
| 30代後半 | 370〜450万円 | ▲70〜120万円 | 約30% |
| 40代以上 | 380〜480万円 | ▲80〜150万円 | 約25% |
ポイント
20代は「回復率」が圧倒的に高い。年齢が若いほど、未経験でも早期に年収が回復・上昇する傾向があります。キャリアチェンジは早ければ早いほど有利です。
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職種別|未経験転職の年収相場
| 転職先の職種 | 未経験の初年度年収 | 3年後の目安年収 | 年収アップのしやすさ |
|---|---|---|---|
| ITエンジニア | 300〜400万円 | 450〜650万円 | ★★★★★ |
| 営業職 | 300〜380万円 | 400〜600万円 | ★★★★☆ |
| 施工管理 | 350〜420万円 | 450〜600万円 | ★★★★☆ |
| 介護職 | 280〜340万円 | 350〜450万円 | ★★★☆☆ |
| 事務・管理 | 280〜350万円 | 320〜400万円 | ★★☆☆☆ |
| Webマーケター | 300〜380万円 | 420〜600万円 | ★★★★☆ |
| ドライバー・物流 | 320〜400万円 | 400〜550万円 | ★★★☆☆ |
| 不動産営業 | 300〜380万円 | 450〜800万円 | ★★★★★ |
特に注目:ITエンジニア
IT業界は慢性的な人手不足で、未経験者向けの研修制度が充実しています。初年度はやや低めですが、3年後には前職を大幅に超える年収が期待できるのが最大の魅力。プログラミングスクールの教育訓練給付金(最大70%補助)を活用すれば、自己負担を抑えてスキルを習得できます。
特に注目:不動産営業
インセンティブ制度があるため、成果次第で未経験2〜3年目から年収600万円超えも。前職で接客・販売経験がある方は特に相性が良い職種です。
未経験転職で年収を下げないための5つの戦略
「ポータブルスキル」を棚卸しする
コミュニケーション力、数値管理、プロジェクト管理、顧客折衝——業界を問わず使えるスキルを洗い出し、職務経歴書でアピールすることで、未経験でも高めの年収提示を引き出せます。
成長業界を狙う
IT、DX推進、再生エネルギー、介護テックなど、市場が拡大している業界は人材需要が高く、未経験でも好条件の求人が多いです。衰退業界からの転職は年収ダウンのリスクが高まります。
転職前にスキル・資格を取得する
未経験でも、関連資格や基礎スキルがあるだけで初年度年収が30〜50万円変わることがあります。ITならプログラミング基礎、不動産なら宅建、建設なら施工管理技士補を取得しておきましょう。
「年収の上がり幅」で企業を選ぶ
初年度の年収だけでなく、昇給制度・評価制度を確認。「入社時は低くても3年で○万円」のキャリアパスが明確な企業を選ぶことで、中長期的な年収アップが見込めます。
年収交渉を諦めない
未経験だからといって提示年収をそのまま受け入れる必要はありません。前職の経験・スキルが活かせるポイントを具体的に伝え、年収交渉をしましょう。交渉で20〜50万円アップするケースは珍しくありません。
未経験転職の成功事例
事例1:事務職 → ITエンジニア(27歳・女性)
プログラミングスクール(6ヶ月)で基礎を習得後、Web系企業に転職。Excelでのデータ管理経験がSQL・データ分析で活き、入社後の成長が早かった。2年後にはチームリーダーに昇格。
事例2:飲食店長 → 不動産営業(30歳・男性)
飲食業で培った接客力・クロージング力が不動産営業で発揮。入社半年で宅建に合格し、資格手当がプラス。2年目からインセンティブが安定して入るようになり、年収620万円に到達。
事例3:アパレル販売 → 施工管理(25歳・男性)
建設業界は人手不足で未経験でも好待遇。2級施工管理技士を取得後、現場責任者として活躍。転職直後から年収90万円アップし、資格取得でさらに上昇。
注意点|未経験転職で失敗しないために
気をつけたいポイント
- 「未経験歓迎」でも研修制度がない企業は要注意。入社後に放置されるリスクがある
- 固定残業代込みの高年収表示に注意。基本給と残業代の内訳を必ず確認する
- 年収だけで判断せず、昇給・評価制度・キャリアパスを面接で確認する
- 転職先の離職率が業界平均より高い場合、職場環境に問題がある可能性
- 「すぐ年収が上がる」という甘い言葉を信じすぎない。現実的なキャリアプランを描くことが重要
よくある質問(FAQ)
Q. 未経験転職で年収はどれくらい下がりますか?
平均で50〜100万円程度下がるケースが多いです。ただし業界・職種によっては現状維持や年収アップも可能。特にIT・営業・介護業界は未経験でも好待遇の求人が多く、1〜2年で前職の年収を超えるケースも珍しくありません。
Q. 未経験転職は何歳までできますか?
20代であれば幅広い業界で未経験歓迎の求人があります。30代前半までならポテンシャル採用も多いです。30代後半以降は未経験求人が減りますが、IT・介護・建設業界など人手不足の業界では年齢を問わず受け入れています。
Q. 未経験でも年収アップできる業界はどこですか?
IT・Web業界、不動産営業、建設(施工管理)、運輸・物流、介護業界は未経験者の受け入れ体制が整っており、入社後の年収アップ幅も大きい業界です。特にITエンジニアは3年目以降に大幅な年収アップが期待できます。
Q. 未経験転職で資格は必要ですか?
必須ではありませんが、資格があると年収条件が有利になります。IT系ならITパスポートや基本情報技術者、不動産なら宅建、建設なら施工管理技士など、業界に応じた資格を取得することで未経験のハンデをカバーできます。
Q. 未経験転職で年収交渉はできますか?
可能です。前職の経験やスキルが活かせる部分をアピールすることで、提示年収から上乗せできるケースがあります。特にポータブルスキル(コミュニケーション、マネジメント、分析力など)は業界を問わず評価されます。
まとめ
- 未経験転職で年収が下がる人は約6割だが、2年以内に回復する人も約半数
- 20代の未経験転職は年収回復率が高い——キャリアチェンジは早いほど有利
- IT・不動産・建設は未経験でも年収アップが狙いやすい業界
- ポータブルスキルのアピールと事前の資格取得で初年度年収を引き上げられる
- 「初年度年収」より「3年後の年収」で転職先を選ぶのが正解