はじめに
「自分の年収は平均と比べてどうなのだろう?」「同年代はどれくらい稼いでいるのか」——転職を考える際、平均年収のデータは重要な判断材料になります。
この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和6年)」のデータを中心に、年齢別・男女別・学歴別・企業規模別の平均年収を詳しく解説します。
この記事の目次
日本の平均年収の全体像
まず、全体の平均年収データを確認しましょう。
令和6年の調査では、一般労働者の平均月額賃金は330,400円(前年比+3.8%)でした。この伸び率は平成3年(1991年)以来、33年ぶりの高い水準です。過去10年の推移について詳しくは「平均年収の推移データ」をご覧ください。
- 男性:363,100円/月(前年比 +3.5%)
- 女性:275,300円/月(前年比 +4.8%)
女性の賃金伸び率(+4.8%)が男性(+3.5%)を上回っており、男女間の賃金格差は縮小傾向にあります。ただし、男性を100とした場合の女性の賃金水準は75.8であり、依然として差があります。
出典
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2025年3月17日公表)
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年齢別の平均年収データ
年齢階級別の推計年収をまとめました。男性は50代後半にピークを迎え、女性は年齢による変動が比較的小さいのが特徴です。
| 年齢 | 男性 | 女性 | 男女差 |
|---|---|---|---|
| 〜19歳 | 約290万円 | 約271万円 | 約19万円 |
| 20〜24歳 | 約366万円 | 約347万円 | 約19万円 |
| 25〜29歳 | 約454万円 | 約398万円 | 約56万円 |
| 30〜34歳 | 約520万円 | 約416万円 | 約104万円 |
| 35〜39歳 | 約586万円 | 約434万円 | 約152万円 |
| 40〜44歳 | 約643万円 | 約448万円 | 約195万円 |
| 45〜49歳 | 約684万円 | 約463万円 | 約221万円 |
| 50〜54歳 | 約716万円 | 約468万円 | 約248万円 |
| 55〜59歳 | 約724万円 | 約451万円 | 約273万円 |
| 60〜64歳 | 約556万円 | 約393万円 | 約163万円 |
データの読み方
男性は55〜59歳で年収のピーク(約724万円)を迎え、60歳以降は再雇用等により大幅に下がります。女性は30代以降ほぼ横ばいですが、これはパートタイムへの移行や出産・育児による影響が考えられます。
年代別に詳しく見る
20代の平均年収
- 20代前半(20〜24歳):男性 約366万円 / 女性 約347万円
- 20代後半(25〜29歳):男性 約454万円 / 女性 約398万円
20代は社会人としての基礎を築く時期です。20代前半と後半では約90万円の差があり、経験を積むことで着実に年収が上がっていきます。この時期の転職では「スキルアップ」「キャリアの方向性」を重視することが大切です。
30代の平均年収
- 30代前半(30〜34歳):男性 約520万円 / 女性 約416万円
- 30代後半(35〜39歳):男性 約586万円 / 女性 約434万円
30代は年収の上昇カーブが最も急な時期です。特に男性は30代前半から後半にかけて約66万円増加します。マネジメント経験の有無が年収差に大きく影響する年代でもあります。
40代の平均年収
- 40代前半(40〜44歳):男性 約643万円 / 女性 約448万円
- 40代後半(45〜49歳):男性 約684万円 / 女性 約463万円
40代は管理職や専門職としてキャリアが成熟する時期です。役職に就いているかどうかで年収の個人差が大きくなります。転職では「即戦力」としての専門性やマネジメント力が評価されます。
50代の平均年収
- 50代前半(50〜54歳):男性 約716万円 / 女性 約468万円
- 50代後半(55〜59歳):男性 約724万円 / 女性 約451万円
50代は生涯で最も年収が高くなる時期です。ただし、60歳以降は再雇用制度により年収が大幅に下がるケースが多いため、50代のうちにセカンドキャリアを考えておくことが重要です。
学歴別の平均年収
学歴による年収差も見ていきましょう。
| 学歴 | 月額賃金(男女計) | 男性(推計年収) | 女性(推計年収) |
|---|---|---|---|
| 高校卒 | 288,900円 | 約512万円 | 約353万円 |
| 専門学校卒 | 306,900円 | 約527万円 | 約425万円 |
| 高専・短大卒 | 307,200円 | 約599万円 | 約443万円 |
| 大学卒 | 385,800円 | 約684万円 | 約495万円 |
| 大学院卒 | 497,000円 | 約885万円 | 約691万円 |
大学院卒と高校卒を比較すると、男性で約373万円、女性で約338万円の差があります。ただし、学歴はあくまで「平均値」に影響する要素の一つであり、スキルや経験次第で学歴による差を超えることは十分に可能です。
企業規模別の平均年収
| 企業規模 | 月額賃金(男女計) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 大企業(1,000人以上) | 364,500円 | 403,400円 | 296,600円 |
| 中企業(100〜999人) | 323,100円 | 355,600円 | 271,300円 |
| 小企業(10〜99人) | 299,300円 | 324,500円 | 255,500円 |
大企業と小企業の月額賃金差は65,200円で、年額に換算すると約78万円の差になります。
注目すべきは伸び率の違いです。
- 大企業:前年比 +5.3%
- 中企業:前年比 +3.8%
- 小企業:前年比 +1.8%
賃金の伸び率は大企業ほど高く、企業規模間の格差は拡大傾向にあることが分かります。
年収が高い職種ランキング
| 順位 | 職種 | 推計年収 |
|---|---|---|
| 1位 | 航空機操縦士 | 約1,697万円 |
| 2位 | 医師 | 約1,338万円 |
| 3位 | 大学教授 | 約1,093万円 |
| 4位 | 大学准教授 | 約881万円 |
| 5位 | 法務従事者(弁護士等) | 約765万円 |
出典
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」職種別統計表より算出
※推計年収は「きまって支給する現金給与額 × 12 + 年間賞与その他特別給与額」で算出
「平均年収」の正しい見方
「平均」と「中央値」の違い
統計データを見る際に注意すべきなのが、「平均値」と「中央値」の違いです。年収分布は高所得者に引っ張られるため、平均年収は中央値よりも高くなる傾向があります。
「自分は平均より低いのでは?」と感じても、実際には半数以上の人が平均年収以下です。より実感に近いのは「中央値」ですので、この点を理解した上でデータを参考にしてください。詳しくは「年収の中央値まとめ」をご覧ください。
また、自分の年収が全体の上位何%に位置するかを知りたい方は「年収500万・600万・700万の割合」の記事も参考になります。
年収を上げるために
データから分かるように、年収は「年齢」「性別」「学歴」「企業規模」「職種」など複数の要素で決まります。転職によって年収を上げるためには:
- 同業種の中でもより大きな企業を目指す
- 年収水準が高い業界・職種にキャリアチェンジする
- マネジメント経験やスキルを積んで市場価値を高める
- 適切な給与交渉を行う
まずは自分の市場価値を知ること
平均年収のデータと自分の年収を比較するだけでなく、自分のスキル・経験が転職市場でどの程度評価されるかを知ることが大切です。
まとめ
この記事で紹介したデータは、あくまで「平均値」です。同じ年齢・同じ職種でも、企業や個人のスキルによって年収は大きく異なります。
大切なのは、平均年収のデータを「現状把握」と「目標設定」のためのベンチマークとして活用すること。自分の市場価値を正しく理解し、キャリアプランを立てていきましょう。