はじめに
転職先が決まり、いよいよ現職を退職する段階。「退職届と退職願の違いは?」「いつ、誰に出せばいい?」「引き止められたらどうする?」など、初めての退職には不安がつきものです。
この記事では、退職届・退職願の正しい書き方から、円満退社のためのスケジュール、引き止めへの対処法まで、退職に必要なすべてを解説します。
退職届と退職願の違い
まず、「退職届」と「退職願」の違いを理解しておきましょう。
| 退職願 | 退職届 | |
|---|---|---|
| 意味 | 退職を「お願い」する書類 | 退職を「届け出る」書類 |
| 撤回 | 会社が承諾するまで撤回可能 | 原則として撤回不可 |
| 使用場面 | 円満退社を目指す場合 | 確実に退職したい場合 |
| 一般的な流れ | まず退職願を提出 | 承諾後に退職届を提出 |
一般的な流れ
多くの会社では、まず「退職願」を提出し、上司や人事との話し合いを経て正式に退職が決まった後、「退職届」を提出します。会社によっては所定のフォーマットがある場合もあるので、就業規則を確認しましょう。
退職届・退職願の書き方
退職願のテンプレート
退職届のテンプレート
書き方のポイント
- 用紙:白い便箋(B5サイズ)に縦書きが正式。横書きでも可
- 筆記具:黒のボールペンまたは万年筆
- 宛名:代表取締役社長宛て(「殿」または「様」)
- 退職理由:「一身上の都合」で統一。具体的な理由は不要
- 退職日:上司と相談して決めた日付を記載
- 押印:認印で可。シャチハタは避ける
- 封筒:白い無地の封筒に「退職届」または「退職願」と表書き
退職を伝えるタイミングと流れ
退職までのスケジュール
直属の上司に口頭で退職の意思を伝える
退職願を提出、正式な退職日を決定
退職届を提出、引き継ぎ計画を作成
引き継ぎを本格的に開始、関係者への挨拶
引き継ぎ完了、備品返却、退職手続き
就業規則の確認
法律上は2週間前の申告で退職できますが、多くの会社では就業規則で「1ヶ月前」「2ヶ月前」などと定められています。円満退社のためには、就業規則に従うのがベターです。
注意:退職日の設定
転職先の入社日から逆算して退職日を決めましょう。有給休暇の消化期間も考慮することをお忘れなく。引き継ぎに必要な期間も見積もっておくことが重要です。
円満退社のための5つのポイント
1. まず直属の上司に伝える
退職の意思は、必ず最初に直属の上司に伝えましょう。先に同僚や他部署に話してしまうと、上司の顔を潰すことになり、円満退社が難しくなります。
2. 転職先の社名は言わなくてもOK
「次は決まっています」「同業種です」程度の回答で十分です。転職先を明かすことで、妨害や引き抜きの噂が立つ可能性もあります。
3. 引き継ぎ資料を丁寧に作成
後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、以下の内容を文書化しましょう。
- 担当業務の一覧と優先順位
- 業務の手順書・マニュアル
- 関係者の連絡先リスト
- 進行中の案件の状況と次のアクション
- 定期業務のスケジュール
4. 感謝の気持ちを伝える
お世話になった上司や同僚には、感謝の言葉を伝えましょう。退職後も業界で再会する可能性がありますし、人脈は大切な財産です。
5. 最終日まで責任を持って働く
「どうせ辞めるから」という態度は禁物。最終日まで誠実に業務をこなすことで、良い印象を残して退職できます。
引き止めへの対処法
退職を申し出ると、引き止められることがあります。対処法を知っておきましょう。
よくある引き止めパターンと対応
| 引き止めの言葉 | 対応例 |
|---|---|
| 「給与を上げるから」 | 「ありがとうございます。ただ、今回の決断は給与だけの問題ではありません」 |
| 「部署異動を検討する」 | 「お気持ちはありがたいのですが、すでに決断しております」 |
| 「もう少し考えてくれ」 | 「十分に考えた上での決断です。○月○日付での退職でお願いします」 |
| 「後任が見つかるまで」 | 「引き継ぎは全力で行いますが、退職日は変更できません」 |
引き止めを断るコツ
「申し訳ありませんが」「大変心苦しいのですが」など、クッション言葉を使いつつ、明確に意思を伝えましょう。曖昧な態度は、さらなる引き止めを招きます。
退職時に必要な手続きチェックリスト
会社に返却するもの
- 健康保険証
- 社員証・入館証
- 名刺(自分の名刺、受け取った名刺)
- 会社支給のPC・スマートフォン
- 制服・作業着
- 会社の鍵・カードキー
- その他会社の備品・書類
会社から受け取るもの
- 離職票(失業保険申請に必要)
- 源泉徴収票
- 年金手帳(会社保管の場合)
- 雇用保険被保険者証
- 退職証明書(必要な場合)
自分で行う手続き
- 健康保険の切り替え(任意継続 or 国民健康保険)
- 年金の切り替え(国民年金への加入)
- 住民税の支払い方法の確認
- 退職金の受け取り確認
まとめ
退職は転職活動の最終ステップであり、次のキャリアへの第一歩です。円満退社を実現することで、良好な人間関係を維持したまま、新しいスタートを切ることができます。
この記事で紹介した手順とテンプレートを参考に、計画的に退職準備を進めてください。