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【2026年最新】失業保険と確定申告・税金ガイド|受給中の住民税・所得税を徹底解説

はじめに

「失業保険をもらっているけど、確定申告は必要?」「退職後の住民税はどうやって払うの?」「退職金に税金はかかる?」――退職後、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給しながら生活する中で、税金に関する不安を抱える方は非常に多くいらっしゃいます。

結論から言えば、失業保険(基本手当)そのものは非課税です。しかし、年の途中で退職した場合の所得税の還付、退職後の住民税の支払い、退職金の税金処理など、知っておかないと損をするポイントがいくつもあります。

この記事では、失業保険受給中の税金に関するすべてを2026年最新の制度に基づいて解説します。失業保険の基本的な仕組みについては、失業保険(雇用保険)の受給完全ガイドもあわせてご確認ください。

失業保険(基本手当)は非課税

まず最も重要なポイントです。失業保険(雇用保険の基本手当)は、所得税・住民税ともに課税されません。これは雇用保険法第12条に明確に規定されています。

失業保険が非課税であることの具体的な意味

  • 確定申告で収入として申告する必要がない
  • 所得税の計算に含まれない(課税所得に加算されない)
  • 住民税の計算に含まれない
  • 税法上の扶養判定(配偶者控除等)に含まれない(年収48万円以下の判定に影響しない)

つまり、失業保険で年間100万円を受給しても、税金の計算上は「収入ゼロ」として扱われます。これは生活保護や遺族年金などと同じ非課税所得の扱いです。

非課税となる雇用保険の給付

失業保険の基本手当だけでなく、以下の雇用保険の給付もすべて非課税です。

  • 基本手当(いわゆる失業保険)
  • 再就職手当
  • 就業促進定着手当
  • 教育訓練給付金
  • 高年齢求職者給付金
  • 育児休業給付金
  • 介護休業給付金

注意:社会保険上の扶養は別基準

税法上は非課税ですが、社会保険(健康保険)上の扶養の判定では、失業保険の基本手当が「収入」として扱われます。基本手当日額が3,612円以上(年収換算130万円以上)の場合、配偶者の社会保険の扶養に入れない可能性があります。詳しくは失業保険受給中の扶養ガイドをご覧ください。

確定申告が必要になるケース

失業保険自体は非課税ですが、退職した年に確定申告が必要、または確定申告をした方が得になるケースがあります。

確定申告をすべき主なケース

ケース 確定申告 理由
年の途中で退職し、年内に再就職しなかった すべき(還付の可能性大) 年末調整を受けていないため、源泉徴収された所得税が戻る可能性が高い
退職金の「退職所得の受給に関する申告書」を未提出 すべき(還付の可能性大) 20.42%の源泉徴収が行われており、正しい税額との差額が還付される
医療費が年間10万円を超えた すべき(医療費控除) 医療費控除により税金が戻る
ふるさと納税をした 必要(ワンストップ特例が使えない場合) 退職により年末調整がない場合、確定申告で寄附金控除を適用
失業中にアルバイト・副業収入がある 必要(所得20万円超の場合) 給与所得以外の所得が20万円を超える場合は申告義務あり
年内に再就職した 通常は不要 再就職先で前職の源泉徴収票を提出し、年末調整を受ける

年の途中で退職した場合の確定申告

最も多いケースが「年の途中で退職し、その年中に再就職しなかった」場合です。この場合、確定申告をすることで払いすぎた所得税が還付される可能性が非常に高いです。

なぜ還付されるのか?

会社員の所得税は、毎月の給与から「源泉徴収」として天引きされています。この源泉徴収額は「1年間同じ給与が続く」前提で計算されているため、年の途中で退職すると、実際の年間所得に対して所得税を払いすぎている状態になります。

還付額の具体例

年収400万円の方が6月末に退職した場合:

・1月〜6月の給与収入:約200万円
・毎月の源泉徴収額:約5,000円 × 6ヶ月 = 約30,000円
・年収200万円に対する正しい所得税:約27,000円(各種控除後)
・さらに退職後に支払った国民健康保険料・国民年金も控除対象
→ 数万円〜10万円以上の還付が期待できるケースも

確定申告の手順

1 源泉徴収票を入手する

退職した会社から「給与所得の源泉徴収票」を受け取ります。退職後1ヶ月以内に発行されるのが一般的です。届かない場合は会社に請求しましょう。紛失した場合は再発行を依頼できます。

2 控除に必要な書類を準備する

以下の書類を準備します。
・社会保険料(国民健康保険・国民年金)の支払い証明書
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書
・医療費の領収書(医療費控除を受ける場合)
・ふるさと納税の寄附金受領証明書
・マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード+本人確認書類)

3 確定申告書を作成する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(オンライン)を利用するのが最も簡単です。画面の指示に従って源泉徴収票の数字を入力し、各種控除を入力するだけで、自動的に還付額が計算されます。

4 e-Taxまたは税務署に提出する

マイナンバーカードがあればe-Tax(電子申告)でオンライン提出が可能です。それ以外の場合は、印刷して税務署に郵送または持参します。還付申告は翌年1月1日から5年間提出可能です(通常の確定申告期間2月16日〜3月15日を待つ必要はありません)。

5 還付金を受け取る

e-Taxの場合は提出後約2〜3週間、書面提出の場合は約1〜2ヶ月で指定した銀行口座に還付金が振り込まれます。

退職後の住民税の支払い方法

住民税は前年の所得に対して課税され、翌年6月〜翌々年5月にかけて支払います。退職すると給与天引き(特別徴収)ができなくなるため、支払い方法の切り替えが必要です。

退職時期による住民税の違い

退職時期 住民税の扱い 手続き
1月〜5月に退職 5月までの残額を最後の給与から一括徴収 会社が自動的に処理(手続き不要)
6月〜12月に退職 以下の3つから選択可能 退職時に会社に希望を伝える

6月〜12月に退職した場合の3つの選択肢:

  1. 一括徴収:翌年5月までの残額を最後の給与・退職金から一括で天引き
  2. 普通徴収:自治体から届く納付書で自分で分割払い(年4回)
  3. 特別徴収の継続:すぐに再就職する場合、転職先の給与から天引きを継続

退職後の住民税の注意点

住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職後に収入がなくても支払いが発生します。例えば、2025年中に年収500万円で働いていた場合、2026年6月〜2027年5月に約20万円前後の住民税を支払う必要があります。退職前にこの金額を把握し、生活費の計画に含めておきましょう。

住民税の減免制度

失業により収入が大幅に減少した場合、自治体によっては住民税の減免制度が利用できる場合があります。

  • 前年に比べて所得が大幅に減少した場合(基準は自治体により異なる)
  • 生活が著しく困難な場合
  • 災害、病気、失業などの特別な事情がある場合

減免の可否や基準は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の住民税担当窓口に相談しましょう。

国民健康保険料・国民年金の減免制度

退職後に国民健康保険に加入する場合、保険料の減免制度を利用できる可能性があります。

国民健康保険料の軽減

非自発的失業者(会社都合退職・特定理由離職者)の場合、国民健康保険料が大幅に軽減されます。

国保保険料の軽減措置

非自発的失業者は、前年の給与所得を30/100(3割)として保険料を計算します。つまり、保険料が約7割軽減されます。

・対象:離職票の離職理由コードが「11」「12」「21」「22」「23」「31」「32」「33」「34」の方
・期間:離職日の翌日から翌年度末まで
・手続き:市区町村の国保窓口で離職票または雇用保険受給資格者証を提示

国民年金保険料の免除

失業中は国民年金保険料の免除申請ができます。

  • 全額免除:前年所得が一定以下の場合
  • 特例免除(失業特例):退職(失業)を理由に申請する場合、本人の前年所得を除外して審査される(配偶者・世帯主の所得のみで判定)
  • 免除期間も年金の受給資格期間に算入される(年金額には反映率が下がる)
  • 後から追納(10年以内)すれば、年金額を回復できる

手続きは市区町村の年金窓口で、離職票または雇用保険受給資格者証を持参して申請します。

確定申告で戻ってくるお金

退職した年の確定申告では、以下の控除を適用することで所得税の還付が受けられる可能性があります。

控除の種類 内容 還付への影響
社会保険料控除 退職後に支払った国保・国民年金の保険料 大きい(年数十万円の控除になる場合も)
生命保険料控除 生命保険・医療保険・個人年金保険の保険料 最大12万円の控除
地震保険料控除 地震保険の保険料 最大5万円の控除
医療費控除 年間の医療費が10万円(または総所得の5%)を超えた分 医療費が多い年は効果大
寄附金控除 ふるさと納税、認定NPOへの寄附 ふるさと納税した場合は必須
基礎控除 48万円(所得2,400万円以下の場合) 全員に適用
配偶者控除・扶養控除 配偶者や扶養家族がいる場合 該当する場合は効果大

退職金の税金について

退職金は「退職所得」として、他の所得とは分離して課税されます。「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、退職金の税金は会社が正しく源泉徴収してくれるため、通常は確定申告不要です。

退職所得控除額は勤続年数によって異なります:
・勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
・勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

例:勤続15年で退職金500万円の場合
退職所得控除 = 40万円 × 15年 = 600万円
500万円 - 600万円 = マイナス → 退職金に税金はかからない

退職後の確定申告に必要な書類一覧

確定申告をスムーズに行うために、以下の書類を準備しましょう。

書類 入手先 必須/任意
給与所得の源泉徴収票 退職した会社 必須
退職所得の源泉徴収票 退職した会社(退職金がある場合) 退職金がある場合
国民健康保険料の支払額がわかるもの 市区町村・口座振替の記録 加入した場合
国民年金保険料の控除証明書 日本年金機構(11月頃に届く) 支払った場合
生命保険料控除証明書 保険会社(10月頃に届く) 加入している場合
医療費の領収書・明細書 医療機関 医療費控除を受ける場合
ふるさと納税の寄附金受領証明書 寄附先の自治体 寄附した場合
マイナンバーカード 市区町村 必須
還付金受取用の銀行口座情報 自分の銀行口座 必須

よくある質問(FAQ)

Q1. 失業保険を受給していることは確定申告書に記載する必要がありますか?

いいえ、記載する必要はありません。失業保険(基本手当)は非課税所得のため、確定申告書のどの欄にも記入しません。所得金額にも含めません。

Q2. 退職した年に確定申告しなかったらどうなりますか?

還付申告は5年間有効です。確定申告をしなくてもペナルティはありませんが、払いすぎた所得税が戻ってきません。還付申告は退職した翌年の1月1日から5年間いつでも提出可能です。例えば、2025年に退職した場合は2030年12月31日まで申告できます。

Q3. 失業中にアルバイトした収入は確定申告が必要ですか?

給与所得以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。アルバイトの給与は給与所得として扱われます。年の途中で退職した場合、前職の給与とアルバイトの給与を合算して確定申告を行います。なお、アルバイト収入は失業保険の失業認定申告書にも正しく申告が必要です。

Q4. 住民税が払えない場合はどうすればいいですか?

市区町村の窓口に相談しましょう。失業などの特別な事情がある場合、住民税の減免や徴収猶予(分割払い)を認めてもらえる場合があります。放置すると延滞金が加算され、最悪の場合は差し押さえの対象になるため、支払いが難しい場合は早めに相談することが大切です。

Q5. 退職金にかかる税金はいくらですか?

退職所得控除の範囲内なら税金はゼロです。勤続20年以下なら「40万円×勤続年数」、20年超なら「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」が控除されます。例えば勤続30年なら退職所得控除は1,500万円です。退職金がこの金額以下なら税金はかかりません。具体的な金額は失業保険計算シミュレーターと合わせてご確認ください。

まとめ

失業保険受給中の税金について、改めてポイントを整理します。

  • 失業保険(基本手当)は非課税。確定申告で収入に含める必要はない
  • 年の途中で退職した場合は確定申告をすべき。払いすぎた所得税が還付される可能性が高い
  • 退職後の住民税は前年の所得に基づくため、収入がなくても支払いが発生する
  • 国保の保険料軽減:非自発的失業者は前年所得の3割で計算(約7割軽減)
  • 国民年金の免除申請:失業特例により本人の所得を除外して審査してもらえる
  • 退職金は退職所得控除の範囲内なら税金ゼロ。申告書を提出していれば確定申告不要
  • 還付申告は5年間有効。まだ申告していない方は今からでも間に合う

退職後の税金の手続きは複雑に感じますが、一つひとつ対応すれば難しくありません。特に確定申告による所得税の還付は、数万円〜十数万円が戻ってくるケースも多いため、面倒でも必ず行いましょう。

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